前回の自転車もん語り 松﨑猛さん(2)「困難が楽しいなんて他にはない」はこちら

乗る楽しさ、駆け抜ける魅力。多くの人々を惹きつけてやまない「自転車」という存在。阿蘇という土地ならではの自転車の楽しみ方を、自転車好きのみなさんに語っていただきました。

乗ると人生が変わる。それを伝えたい。

松﨑猛さん Tea room 茶のこ 店主

松﨑猛( まつざき たけし)

南小国町のカフェ「Tea room 茶のこ」オーナー、サイクリスト、ユニフォームデザイナー、冬の阿蘇で2013年から2019年まで開催されたロードレース「九州Heaven Ride」主催者と多才な顔を持つ。阿蘇サイクリストコンソーシアム委員。

阿蘇はどこを走っても楽しい

 地元の人間にとっては日常の風景なんですが、初めて訪れた方々にとっては、阿蘇は走っていいてとっても気持ちの良い土地なのではないかと思います。実際、訪れた方々は喜びますし、心が癒されると言う方もいらっしゃいますね。無心にトレーニングで走る人には向いていないかもしれませんが、「ここを観たい」「ここを食べたい」と旅するのは、本当に素敵な体験になると思います。阿蘇はどこを走っても楽しいですよ。

 「九州Heaven Ride」については、もう困難に困難を重ねたような真冬の大会でして。レース云々というよりも冒険活劇というか。正直、震災被害のこともあり、2016年は開催するかどうか悩んだんですけど、とにかく楽しみにしている方が多くて。「やろうよ!」「阿蘇のこの季節にやるからいいんじゃない!」という声に支えられて、やることにしました。マウンテンバイクじゃくてロードバイクでの出場という、やや無謀な大会なんですが、みなさん子どもに戻ったように嬉々として自転車に乗っている。自転車って、続けていると身体のつくりも変わるんです。努力がそのまま結果につながるので、自分だけでなく他人の努力も見えるようになるんですよね。だから他人のことでも、素直に認められる。自分の人選は自転車に再開することで、とても幸せなものになりました。これから乗られる方々にも、ぜひそれを体験して欲しいです。

Photo:Takeshi Matsuzaki