自転車語り 橋本幸太さん(1)全3回

 乗る楽しさ、駆け抜ける魅力。多くの人々を惹きつけてやまない「自転車」という存在。阿蘇という土地ならではの自転車の楽しみ方を、自転車好きのみなさんに語っていただきました。

橋本幸太さん

トリムカンパニー 代表
阿蘇サイクリストコンソーシアムのメンバー。マウンテンバイクツーリングの企画を行う『トリムカンパニー』の代表。そのコースは下り坂の走りをメインとし、参加者の技術に応じたトレイルコースが好評。

mail:trim@aso-cycletour.com

ロードとマウンテン、
どちらのバイクにも魅力

 僕自身に関しては、20歳の頃からずっと自転車に乗ってきました。ロードバイクとマウンテンバイク、両方に乗るのでどちらにも親しみがあり、どちらの世界もリスペクトしています。自転車にハマるきっかけになったのは学生の頃、先輩の古いロードタイプの自転車を借りて乗っていたときですね。あまりに古い時代のもので車体自体もすごく重たかったのですが、その自転車でいろいろな地を廻るようになってから、なにかこう、口ではうまく言えない解放感と自由を手にした喜びがありました。あまりにオンボロなその車体で涌蓋山の坂道を上るのは相当過酷でしたが、そのうちに体力もつき、自転車の知識も増え、気づくと自転車にのめり込んでいましたね。そのうち自転車という趣味で共通する友人も増え始め、その輪が徐々に広って、結果、自分の日常と離れた場所に居心地のいい自転車の世界ができ上がっていました。

 社会人になって都会で働いていたこともありますが、そのときは消耗しましたね(笑)。会社が休みのたびに先輩と近くの山や川に出かけ、何かにつけて自分と自然との接点を求めていました。やはりそのときは、自分が自身の生活にいかに自然の環境を必要としているか知りましたね。それから故郷に戻りました。そして、自分が生まれ育った環境がどれだけ素晴らしいものだったかを改めて知りました。故郷を離れたことで初めて、その日常にあったものがどれだけすばらしいものだったかに気付かされましたね。

自転車語り 橋本幸太さん(3)へ続く