風景ハンター 二重の峠

自転車で走るとじっくり楽しめる、阿蘇ならではのさまざまな魅力的な風景。
ちょっと立ち止まって、自分の足でも歩いてみたり、体験したりしてみませんか?

歴史と神話の峠道、豊後街道。

石畳の街道から見下ろす雄大な阿蘇谷と夕焼け

 二重の峠にまつわる伝承によると、健磐龍命が、満々とたたえたカルデラ湖の水を排水して、カルデラ湖の底を美田にしようと外輪山の一部を蹴りましたが、なかなか蹴破ることができず、よく見るとそこが二重になっていたことから、この名がついたといわれています。

的石お茶屋跡

的石お茶屋跡(秋)

 二重の峠は加藤清正公が作った街道で、肥後(現在の熊本付近)と豊後(現在の大分付近)を結ぶ豊後街道の一部で大津町から二重の峠に至る部分は清正公道(きよまさこうどう)とも呼ばれています。坂道が多く風雨などで道の破損の大きいところを石畳とした部分が今も残っており、1.6キロメートルにわたり幅約3メートルの石畳が敷き詰められています。その中の一つが、県道339号(通称ミルクロード)の二重の峠から阿蘇谷に下る「二重の峠の石畳」。現存する石畳としては国内最長クラスを誇るもので、峠を下まで歩くと往復2時間程、石畳の上下には駐車場も有り、ハイキングにはピッタリのコースです。

 峠からは阿蘇市を一望することができ、草原を吹くさわやかな風がほおをなでる気持ちの良い場所となっています。また、日没前に赤く染まると、夕日に燃えるススキが、ノスタルジックな景色を見せてくれます。

二重の峠の石畳を下りた所には「的石御茶屋跡」があります。ここは、参勤交代の大名行列の一行が休憩した場所です。敷地内には北外輪山の伏流水が湧き出る泉水があり、見事な庭園が造られています。

二重の峠

的石お茶屋跡